目袋(下まぶた)・その3

 
 結膜側からの目袋取りというのは、そんなに難しい手術ではありません。
 「難しい手術」というのは、いろいろありますが、

1)安定した結果が出ない(術者のデザイン力などが関係する)。
2)重大な合併症のリスクが高い。


といったものだと考えます。眼袋取りの手術は、誰がやっても、だいたい似たような結果が出ますし、重大な合併症の報告も無いです。

 しかし、大学の形成外科や皮膚科の医局などでは、こういう手軽な美容手術は行っていないので、誰も教えてくれません。ですから、目袋取りの手術と言うのは、「そんなに難しい手術ではないのだが、習得しにくい手術」と言っていいと思います。わたしの場合は、開業前に、ロサンゼルスの美容外科の先生のところに見学に行ったときに覚えました。

 先日、最近開業した形成外科の先生に、「結膜側からの目袋取りというのを、教えてもらえないだろうか?」と頼まれました。ちょうど、うちのスタッフに一人「そろそろ、目袋取ったほうがいいよねー」と皆で言っていたひとがいるので、その人の目袋取りの手術を、見学させてあげることにしました。

 それで、せっかくの機会なので、ここを見ている形成外科・皮膚科の先生で、目袋取りを覚える機会の無かった方、よろしかったら、見学にいらっしゃいませんか?お一人にお見せするのも、複数人にお見せするのも同じことです。

 美容皮膚科を主としていて、自身はメスを用いる手術は行わないが、お客様への説明などのために勉強したい、という女医さんは特に歓迎しますよ。これをご縁に、お客様や患者さんを紹介し合うことが出来れば幸いです。

 12月5日(土曜)の夕方4時から、1時間くらい時間をとって行います。ご希望のかたは、クリニックまでお電話ください。

 モデルはこの人です(46才、一児の母)。

笑顔のときは、眼袋、目立たないんですけどねー。(笑顔=目輪筋が緊張していると、眼の奥の脂肪が筋肉の壁に押されて飛び出さないからです)
 結膜側からの目袋取りについての解説は「目袋(下まぶた)・その2」をご参照ください。
(2009.11.25記)

(追記)
 目袋取りの様子を動画に撮影したのでYouTubeにupしてみました。
手術なので、やや生々しいです。こういうの苦手なかたは見ないほうがいいですが、結膜側から、どうやって脂肪を取り出すのか、不思議だったひとは、目からウロコで納得いくかも。
https://www.youtube.com/watch?v=lcfyNmQYoOA

  眼にかぶせてある灰色のは眼球保護のための金属製のコンタクトレンズみたいなものです。鼻にささっているのは、経鼻エアウエイといって、舌根沈下を防止する管です。
 静脈麻酔下なので、患者(うちのスタッフ)は眠った状態です。痛くも怖くもありません。

 自分で動画見て思うんですが、わたしはたぶん、他の先生がたに比べると、5本の指をフルに活用できる器用さがあるんじゃないかと思います(左手で脂肪つまみながら同時にまぶた押さえて、右手でレーザーメス使うとか)。あと、動きが合理的というか手指の動線に無駄が少ないと自分では思うのですが・・。まあ、美容に限らず、外科系の医者は、ほぼ全員が「オレがこの世界じゃ一番上手い」って内心自惚れてるようなとこあります(それは悪いことではないと私は思う。そのくらいに思い込まなければ、人様の体にメス入れるなんて出来ません。)けどね(^^;。

 でも、スタッフが気軽にモニターやら試験台に応じてくれるっていうのは、普段わたしの施術の様子を見ていて「この先生器用だ」って認めてくれてるからだと思いますよ。これは自惚れじゃ無くて本当に。

 当院での料金は、両目で18万円(消費税・静脈麻酔込み)です。たぶん安いと思うのですが・・冒頭に記しました通り、そんなに難しい手術ではないし、時間もかからない(30分弱)ので、こんなものじゃないかなあ?と、わたし的には思います。
(2009年11月25日記)

しみ取りについて・その2(男性のしみ)


 男性のしみ取りについてのお話です。

 うちのような美容のクリニックというのは、女性でも入りにくい人には入りにくいところのようです。お客様の話を聞くと、クリニックの向かいに横断歩道があるのですが、その向こう側で待機していて、歩行者信号が青になったらピューっと小走りに渡って、そのまま勢いでクリニックの扉を開けて入るとか、タクシーを少し手前(50mくらい)で降ろしてもらうとか、いろいろ苦労なさってるみたいです。

 女性でもそうですから、男性はなおさらです。

 玄関を入るなり「お願いします!」と、道場破りにでも来たのかこの人は?と思うような大声で挨拶してくるひともいます(きっと緊張してるんでしょう)。

 「いやーこの年になって、男が顔のことを気にしちゃあいかんのだが、アッハッハ。」
 だいたいこんなような、前振りから始まります。手順みたいなものです。
 「孫が、『おじいちゃん、その黒いのは何?』って聞くものだからねー。」
 この理由は、女性からもときどき聞きます。世の中の多くのお孫さんは、しみ取りの口実に使われてると思います。
 「会社を経営していて、営業に出ることもあるんですが、若い人と話するのに、少しでも若作りしていかないと、話が噛み合いにくいんですよ。」
 これは、けっこう真面目な理由です。たしかに、そういうことはあると思います。
 ですけど、若返りの欲求ってのは、男性女性問わず、誰にでもあるものなんですよ。理由なんて要りません。
 別に恥ずかしいことじゃないんですが、皆さん、なんか理由をつけたがりますね。
 そうそう、「うちの家内が来たがってるんだが、まずあなた行って来て本当に取れるのか、確認してきて頂戴、と言われて来ました。」という、奥様思い?の方もいらっしゃいました。
術前

術後(1ヶ月)

 しみが、やや厚かったところ(いわゆるイボ)は、少し残ってます。もう一回レーザー当ててやると取れるはずなのですが、まあ、これで御満足な様子です(1カ月目なので、若干「戻りじみ」も出ています)。

 もうおひとり。
 術前

 術後(1週間目)

 しみ(というか、厚さがあるのでイボ)は、全部は取れなかったので、もう一度レーザー当てます。
  2回目レーザーあててから、1週間後
これでほぼ取れました。

 ここを見て、しみを取ろうか迷っていらっしゃる男性のかた、仲間はたくさんいますよ。ぜひいらしてくださいね。
(2009年7月28日記)

まつげの育毛剤(グラッシュビスタ)


 昨年くらいから出てきた、ラティース(注:この記事は2009年に書きました。現在はグラッシュビスタという名前で国内で発売されています)という睫毛(まつげ)の育毛剤があります。うちの女の子たちに試してもらいました。

before
2ヶ月後

左横から見たところ。
before
2ヵ月後

右横から見たところ。
before
2ヶ月後

 ちゃんと、生えるものですねー。感心しました。
 うちの女の子たち(といっても、44才~70才ですが。ちなみにこの写真のひとは46才)8名に2ヶ月使ってみてもらいましたが、全員1~2割増し(密度・長さ・太さ)って感じです。70才のひとでもちゃんと育ちました。
 ネット検索した限りでは、まだ、あまり実例の写真は出てなさそうだったので、写真アップしてみました。。

 製造元であるアメリカのAllergen社のHPはこちら。
http://www.latisse.com/医薬品扱いなので、日本では、個人輸入するか、うちのような美容系のクリニックでしか購入できません(普通の化粧品のようにデパートとか通販では購入できない)。
 もともとは、緑内障の目薬の副作用で、まつげが伸びることが判っていて、これを応用したものだそうです。それなら、その緑内障のお薬をまつげに塗ってやれば、安く上がるんじゃないの?と思って、眼科の友人に聞いてみました。キサラタンというお薬だそうです(注:この記事を書いた2009年にはまだルミガンは発売されていませんでした。ルミガンのほうがキサラタンよりもラティース=現グラッシュビスタに近いです)

 仕入れ価格で、ラティースの1/4くらいです。
 しかし、これ、実際に使ってみると、目薬なだけあって、流動性がたかく、まつげの根元に溜まらず、流れてしまうことがわかりました(ラティースはとろみがあって、流れないように工夫されている)。成分は似ていても、やはり使い勝手っていうのがあるんですね・・。
 余談になりますが、アメリカには、「医師の処方箋がなければ購入できない化粧品」というジャンルがあります。
 病気を治す目的ではない、美容目的、という意味では、化粧品的なのだが、正しく使用しないと、色素沈着やかぶれといったトラブルの原因となりやすい、そういったものを、医師の管理のもと、安全に流通させよう、というコンセプトで、日本にはまだありません。
 ラティースは、まさにそういうジャンルに属します。
 「プチ整形のブログ」と銘打っているここで、ラティースの紹介は、いかがなものか・・と、少し悩みましたが、上記のような意味で(医師による管理が必要という意味で)、ぎりぎり「プチ整形」の守備範囲内と言えばいえないこともないか、とも思います。(^^;。

 使い勝手の工夫とか、ノウハウ的なことは、実際に使用しているひとの話を聞くのがいちばんです。お求めの際に、カウンターでうちの女の子たちといろいろ話して盛り上がってください。そういう話してワクワクすること自体も、楽しみのうちですものね。
 (2009年7月2日記)
  
(追記) モデルのスタッフの子が、ラティースで伸びてきたまつげにマスカラ付けてみたので、これも写真にとって載せてくれ、と言うので、アップします。つけまつげみたいにバサバサして迫力あります。


 

しみ取りについて

しみ取りについて、クリニックホームぺージでの説明の補足を二つほど。

この方は、しみ取りご希望でいらっしゃいました。

QスイッチYAGレーザーで主だったしみを焼いて一週間後です。焼けた古い肌が剥けてきれいになりました。(焼いたところはピンク色になっています。左下にひとつ、まだ取れてないかさぶたがくっついてますが、1日後には取れてるはずです)

3年後にいらっしゃいました。またしみが出てきたので焼きたいとのこと。
ここで、注目していただきたいのは、前に焼いてしみを取ったところからは、新たなしみは出来ていないということです。
赤矢印は、前に取った大きなしみの周辺に、新たにしみがでてきた部です。
青矢印は、3年前には、まったく無かった部に出てきた新しいしみ、緑矢印は、以前薄かったしみが濃くなってきたものです。
しかし、3年前に焼いてしみを取ったところからは、まったく新しいしみは発生していません

確認しやすいように写真を並べてみました。

これは、どういうことかというと、しみというのは、老化してメラニンを処理できなくなった表皮細胞の集まりなのですが、これを焼いて新しい表皮に置き換えますと、新しい表皮というのは、それまで紫外線に暴露されていませんから、しみにはなりにくい、ということです。
一方、3年前には、まだしみになっていなかった周辺の皮膚は、それまでの数十年間、紫外線に暴露された履歴がありますから、加齢とともに、3年後に、あらたなしみとなって現れることがあります。

言い換えますと、一度レーザーで取ったしみは再発しません。しかし、その周辺の、一見正常であった部から、後年しみが出てくることはありえます。
ですから、理論的には、顔面全部を、レーザーで焼いてしまえば、まったく赤ちゃん肌に戻ってしまうので(紫外線に当たった履歴が全部消去される)、その後数十年は、新たなしみに悩まされることはない、ということになります。・・やったことはないですが。。
まあ、車の車検と同じに考えて、一度オーバーホールしたあとは、2~3年に一度、ちょっと美容院に行って髪切ってくるくらいの気軽な気持ちで、レーザーでしみとりにいらっしゃるくらいの感覚が正解だと思います。

もうひとつ。このかたは、よそのクリニックで頬のしみを取ってもらいました。しかし、目周りのそばかす様のしみは、そこでは「取れない」と言われたそうです。
取れないわけはないので、お取りしました。

斜めから見たところ。
 
取ったあとです。若干、境界のはっきりしない、色ムラっぽい部分は残ってます(取ってない)が。・・ここも当てれば取れるんでしょうが、目立つところほぼ全部レーザー打って取ったつもりでも、一週間後に見ると、それまで目立っていたしみに隠れていた部分が残っていて、気になることはあるんです・・
どうしても気になる場合は、一週間後に追加でお取りするのですが、はじめ気になっていた目立つしみは取れてたのだから、あんまり苦にしないほうがいいんじゃないかと思います。・・というのは、上で説明したように、2~3年すると、たぶん他のまったくしみの無かったところから、新たなしみが出てくるかもしれませんから、そのときに、またまとめて取ればいいと思うんですよね。でないと、どんどん気になってしまって、結局顔全体レーザー打たないと気が済まなくなるんじゃないかと。

上述したように、「顔全部に打つ」というのも、ひとつの考え方ではありますが、やったこと無いし、術後のほてりとか、けっこう負担は大きいと思うし。
それよりも、「しみが出来たら、ときどき取りに行こう」くらいに、気軽に構えていただいたほうが良さそうに思います。うち、そんなに高くないし。御紹介したお二方とも、全部取って5万円です。

あとのかたが、他のクリニックで「目周りは取れない」と言われたのは、なぜかは解りませんが、目周囲はあぶないと躊躇されたのかもしれませんし(慣れたひとが注意深くやればあぶなくないです)、ヘッドの大きなレーザー機械で、目の周りには当てにくかったのかもしれません。

ほかにも、「色の薄いしみは取れない」とか、極端な話、「しみは取れません!」と言う先生もいるらしいですが、それは、その先生の持ってる機械の性能の問題とか、単に「めんどくさい」(保険診療の皮膚科の先生なんかで、たまにそういうひともいるみたいです)からじゃないかと思われます。取れないしみは無いですよ。また、ちゃんと勉強している親切な先生であれば、自分のところの設備や技量で対応できない場合は、できるところを紹介してくださるはずです。
 
最後に、写真の使用にご快諾いただきましたお二人の方に感謝します。これらのお写真で、きっとひそかに悩んでる多くのひとが救われることと思います。
(2009年2月27日記)